Release: 2021/05/21 Update: 2021/06/10

【対談5】那覇に海釣り公園を作りたい。釣りの問題解決と海釣り施設の必要性

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沖縄にも釣り公園を作りたい!漁港等の釣り禁止が増える昨今、釣りのルールやマナーが学べる釣り施設を、県都那覇市に作れないか。地道に豆にジーマーミ君こと花城のりひとと、釣りガチ勢のモソの中の人が釣り場を歩きながら、釣り禁止の原因と課題解決のための海釣り公園構想について語り合いました。釣り人もそうでない人も必見の対談です!

※対談記事ちょっと長いです。ショートバージョンはこちら。

【花城のりひと】

地道に豆にジーマーミ君こと花城のりひとです。ジーマーミ豆腐を売ったり色々チャレンジする人。プロフィールはこちらからどうぞ。

【モソの中の人】

花城のりひとの同級生で壺屋の妖精。本体は猫の後ろのポトス。刺繍エンジニアにして漫画家。ライターなど幅広い顔を持つ。釣師でもある。著書に釣り漫画ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール①~③図解と写真でわかる沖縄のルアーフィッシング陸っぱり編

【持ち込み企画】

モソ:こんにちは。花城のりひとサイト管理人のモソです。「またお前か!」って言われそうなので、そのまま俺のサイトにしてしまおうか(笑)

典史:なんか趣旨が違ってきたぞ(笑)…

モソ:冗談はさておき、今日はプレゼンしたい事が。真面目な話。

典史:うん。どんな事でしょう?

モソ:沖縄ってマリンレジャーが盛んで、特に魚釣りってすごい身近なレジャーなわけね。

典史:俺も小さい頃は釣りに連れていってもらってたなー。最近は行ってないけど。

モソ:沖縄県民って海に四方を囲まれている影響があると思うんだけど、全国に比べて魚釣りを楽しんでる人がダントツに多い。それなのに海釣り公園がない。県外には海釣り公園があるんだけどなー。最近は糸満にホンモロコっていう小魚を釣らせるお店とかはあるんだけどね。外で釣りを楽しむ施設って、思いつくのは沖縄こどもの国の釣り掘りくらい。

典史:なるほど。たしかに無いね。

モソ:それと釣りはいろんな問題を抱えていて、漁港では釣り禁止を明示している場所が増えている。これ、俺が管理しているサイトの釣り禁止明示マップ。黄色いところが釣り禁止の看板などが立っているポイント。

典史:こんなにいっぱいあるんだ…。

モソ:漁港って漁業者が使うためのものだけど、公共施設でもあるから、ある程度解放…というか釣りをすることは黙認されてたわけね。このままだと漁港だけじゃなく、あちこちが釣り禁止になっちゃう。釣り人としてはこれを何とか防ぎたい。

典史:それは重要なことだね。

モソ:その問題解決のためにも、海釣り公園が必要だと考えてるわけさ。というわけで現場に行ってみよう。

典史:そうだね。現場見るのは大事!

【釣り場に行ってみた】

典史:なんか那覇じゃないみたいだなー。この茂みトンネル、雰囲気いいね!

典史:おおー!こんな場所があったとは。那覇市内は色々廻ってるつもりだったけど、まだまだ知らない場所があるんだな。

典史:暑いのに釣り人も結構いるなー。って、モソ氏…すごい恰好(笑)

モソ:え?いつもの釣りの装備なんだけど。

典史:正直怪しすぎるでしょ・・・(笑)

モソ:滑らない靴は必須アイテム。それと帽子とサングラスは、日差しの強い沖縄ではあったほうがいいね。あ、頭のカメラは釣果とかの記録撮るためのGoPRO。安全面の関係で、ホントは明るい服のほうがいいけど、好みでこんな色になっちゃった。

典史:想像以上にガチ勢だった……まあ、釣りの漫画とか本を書いてる人だけのことはある。

モソ:釣りガチ勢じゃないと、海釣り公園のプレゼンなんてできないでしょ(笑)

【ライフジャケットを普及させたい!】

モソ:そして のりひとには、まずこれを着てもらいたい。これも釣りをする時の必須アイテム、ライフジャケット。ホントは釣り人とか水辺に立つ人は着ないといけないんだけど、普及率がめっちゃ低い。正しく着用して釣りしてる人って1~2割くらいしかいないんじゃないかな。

典史:これどうやって着るの?

典史:なるほど、こうやってこうやって

典史:これアレだ!飛行機で緊急時に使う救命胴衣だ!!

モソ:そう。これはボンベで膨らむタイプで1万円以上するんだけど、もっと安い浮力材タイプもあるよ。子供用は2千円くらいから釣具屋さんとかで購入できる。個人的に上等リール買う前に、ライフジャケット買ってほしいと思ってる。

典史:最近も本土の溜池で親子が溺れて亡くなってしまった、痛ましい事故もあったよね……ライフジャケットがあれば防げた事故かもしれない。

モソ:うん。ちなみに本土の溜池では外来種のブラックバスが逃がされて釣りの対象になってるけど、沖縄は釣り禁止のダムにしかいないよ。沖縄の釣りのメインフィールドはやっぱり海。最近は川で釣りする人も増えたけど。

典史:そういえばモソ氏、川ですごい魚釣ってたよな。

モソ:国際通りでGT(ロウニンアジ)釣っちゃいました。

典史:国際通りで……?!おっと、釣り公園の必要性から、釣果自慢に脱線してきたぞ(笑)すごい貨物船が。航路にもなってるんだな。

モソ:那覇港(※那覇ふ頭ではなく、浦添市の空寿崎から大嶺岬までの間)は海上交通の拠点だからね。ああいう船が通ると大きな波が起きて、その波をかぶって海に落ちちゃったり。ほら引き波が。

典史:ほんとだ。なかなか高い波。

モソ:車の運転もそうだけど、大丈夫って思ってる人が事故起こしやすいでしょ。

典史:たしかに。

モソ:泳げる人でも、服を着たまま波や潮の流れのある場所で泳げるかというと、たぶん厳しい。それに事故、特に死亡事故が起きるとすぐに釣り禁止になっちゃうから、ライフジャケットの着用率を上げるための取り組みは必要と思う。もちろん事故には落雷(カーボン製釣り竿は電気を通しやすい)とか滑落とかも色々あるのだけど、ヘルメットとかシートベルトと同じで、ライフジャケットは必須アイテムなんだ。

モソ:あと、釣りって周囲確認が大事なわけね。後ろ歩いている通行人釣っちゃったり、作業してる車とかと交通事故につながっちゃうから。投げる時も常に周囲確認!

後ろを確認してから
投げる!

【ゴミのポイ捨て、漁業者等への迷惑行為の数々】

モソ:そして釣り禁止の原因になってる原因の一つがゴミのポイ捨て

典史:ほんとだ……

典史:うわー、これ中身入ってるよ…臭い。

典史:ちょっと歩いただけでこんなにいっぱい。こんな人は釣りしなきゃいいのにね…。

モソ:ほんとそう思うよ。ただ、ポイ捨ては釣り人に限らないし、年齢に関係なくポイ捨てしてるよね。沖縄に至ってはおじいちゃん、おばあちゃんですら当たり前のように吸殻のポイ捨てしてるのを見かける。

典史:観光立県と言ってるのが恥ずかしくなるよなぁ…。

モソ:吸殻を隠すのが日常の当たり前の行動になっちゃうから、未成年者はタバコ吸ってほしくない。各地で行われている釣り大会では清掃活動を行うことが多いんだけど、解散の時に吸殻捨てて帰る人めっちゃいる(汗)ほんと何もわかってない。だから気づきの場としての釣り公園が必要だと思うわけね。

典史:マジかぁ……笑い話みたいだけど笑えないぞ(汗)

モソ:釣り針とか、エサを切るためのカミソリなどの危険物が捨てられてることもあるよ…うちのポイントでは、散歩中の犬が捨てられた釣り針のみ込んでしまって手術したという話もあった。釣り友達が飼い主さんにかなり怒られたらしい。もちろん友達が捨てたわけでもないよ。一緒にポイントの清掃活動をしてるメンバーだったから、その旨伝えたら穏便に済ませることができたとか。

典史:うわぁ…どちらにしてもひどい話だ。

モソ:釣りって水中に少なからずゴミが残ってしまう遊びだから、せめて地上だけでもゴミは持ち帰る、綺麗にして帰る。釣り人が率先してゴミのポイ捨てはしない。あれば拾うって気概が必要だと思うんだけどね。

典史:ありきたりかもしれないけど「立つ鳥跡を濁さず」って諺があるよね。

モソ:うん。ゴミ拾い、清掃活動も大事なんだけど、何よりも捨てない事が大事。ポイ捨てする人がいなければ拾う必要もないのだから。この前もロウニンアジ釣った場所のゴミがあまりにもひどいので拾ったけど大変だった。

典史:たしかにね。でも現状、拾わざるを得ないというね……。

モソ:それと、仕掛けの結び方とか根掛かり(海底に仕掛けが掛かること)の回避や外し方を教えてくれる仕組みも必要だと思うわけね。根掛かりや仕掛けのロストもきちんと学べば最低限に減らせると思う。結び方とかは釣具屋さんで教えてくれたりするけど、他の業務もあるからね。

典史:やっぱ現場で詳しい人から直接習うのがわかりやすそうだと、素人なりに感じるな。

モソ:あと、停泊してる船に乗り込んで釣りする人もいる。ちょっと考えればダメってわかるだろうに……そこまでして釣ろうとする理由がわからない。

典史:信じられん……。

執筆と提供:モソ/南国釣りコ

モソ:絡まった仕掛けを外そうとしてロープを手繰り寄せたものの、元に戻されずに干潮時に船が宙づりになったり、船が通る航路に仕掛けを投げていて、釣り針が乗船者に引っ掛かったり、糸がスクリューに巻き込んでギアボックスを壊したりする被害もあったりする。怪我の治療に修理代に休業補償。そりゃ釣り禁止にしたくなるよなぁ…。

【啓発活動も行われてはいるけど…】

典史:釣りの啓発看板も設置されているんだ。

モソ:このポイントは「釣り禁止」って書かれていないだけいいよ。この三重城港も前から釣り禁止になるって噂はあって、内側の船の停泊場所は釣り禁止になったよ。そのうち全面釣り禁止になりそうで怖い。

典史:こういう取り組み、啓発活動って結構行われているものなの?

モソ:こういう看板が設置されているのは、「釣りしていいですよ」って場所しかないからなー。一応俺も日釣振の個人会員になってるんだけど、活動のメインは釣り具屋さんやメーカーさん主体。ガミガミしすぎるとお客さん減っちゃいそうだし、色々事情あるんだろうなと感じるよ。

モソ:ただ、個人的に思うのは、ルールが十分伝わっておらず、マナー……つまり個人のモラルに任されていることが問題だと思うわけね。ルールの見える化がされていない。まあ、基本的に当たり前のことの積み重ねなんだけど、それがわからん人がいるから釣り禁止が増えてるわけね…。

典史:そういえばモソ氏、テレビ番組に出て同じこと言ってたな。さすが釣りガチ勢(笑)モソ氏のグループでも清掃活動などの取り組みしてるんだよね?

モソ:釣り人の中にも個人やチームで清掃活動や啓発を行ってる人はいっぱいいる。Youtuberが清掃してる動画も反響多かったし、俺もできる事から始めていこうと思ってさ。釣り講座やルール・マナーの勉強会を開いたり、ポイントの清掃活動、書籍漫画を書いてマナーアップの啓発をしたり。あ、今回の記事って完全に俺の宣伝だな(笑)

釣りのマナーアップ勉強会の模様:モソ/南国釣りコ提供

典史:そうだな(笑)でも、釣り人の中にも、危機意識があって、マナー向上に向けて取り組んでいる人がいっぱいいるという事もよくわかったよ。

モソ:実際に取り組んで感じることだけど、個人や釣り仲間の活動だけでは焼け石に水…無力さを感じることはあるよ。とはいえ必要なことだから続けないといけない。

典史:まさに地道に豆な活動だ。

モソ:ちなみに海のルールであまり知られていないのは、サザエとかアワビとかイセエビなど、漁業権設定されている獲物を獲って漁業者から告訴されると罰金100万円、前科も付いちゃうって事。法的には「海はみんなのものさ~」って感覚では済まなくなってる。モズクとかアーサとかも対象だね。そういう事ってあまり知られてないし、広報もあまり上手くいってない感じ。漁業権関連はたびたび改正されているから、詳しくは沖縄県水産課のホームページで。

典史:こうした知識は広く知られないといけないな。これを学ぶ学習拠点としても、釣り公園が役立つってことなわけね。なるほど。

【釣り公園、作るならどこに?!】

典史:ちなみに釣り公園って、具体的に那覇のどこなら作れそう?

モソ:那覇の語源って所説あって、キノコを意味するナパ岩(地質学的にはノッチという、波で削られた岩のこと)があったからとか、良い縄場、漁場ってことに由来するらしい。ちょうど最近関係する記事が出てたよ。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1324005.html

モソ:沖縄の透明の高い海は基本的に貧栄養なんだけど、那覇はいくつもの川が流れ込んでるから栄養豊富で魚が育つ場所になってるわけね。でも川に挟まれているという事は、海が濁りやすいってことでもある。

モソ:三重城海岸や若狭の大型クルーズ船バース付近はあまり濁りの影響を受けなくて、わりと綺麗な水質を保てる場所でもあるよ。元々良いポイントとして知られていたし、この海域なら作れる可能性があるんじゃないかな。釣り人にこの手の話をすると「あっちがいい、こっちがいい」って話になるんだけどさ(笑)

モソ:ちなみに、三重城はあの赤いブイより外側が航路で、その内側はわりと浅かったりする。全体的にどの釣り場でも魚は減っている印象があるから、たとえば魚が隠れられる漁礁や突堤、産卵床の設置、産卵期は特定の獲物は公園内では捕獲禁止とか、釣魚を増やす取り組みを公園内で試せると思う。

モソ:そういえば大型クルーズ船バースが出来てから、泊海岸でオニヒラアジって魚が釣れなくなったんだよ。バースの影に小魚が逃げちゃって。細い釣り竿で2~3kgの魚が釣れるから面白かったんだけどね。最近飛来数が減ってるアジサシという鳥も、影に小魚が集まるからほとんど飛来しなくなった。以前は数百羽集まって鳥山になってたよ。

典史:これは釣り人しかわからない、生の生態系の話だな。

【正しい釣り文化を広めるための施設】

モソ:ちなみに釣り公園ができたとしても、釣り人をそこに閉じ込めて他では釣りをするなという事でもないよ。沖縄の釣りユーザーを収めるられる規模の施設は作れないと思う。

典史:釣り公園に釣り人が集まりすぎて、パンクしちゃうもんね。

モソ:それに海域やポイントで釣れる魚って違ってくるから、釣り公園ですべての釣りが楽しめるわけじゃない。亜熱帯沖縄の海は釣れる魚の種類がとにかく多い。細かく分類すると、200~300種類くらいいるんじゃないかな。魚種ごとに釣り方も違うし、多様性は沖縄の釣りの魅力の一つだと思ってる。

典史:こういう事も実際に釣りをしている人じゃないとわからない事だな。

モソ:釣りに関する様々な問題解決は、全国的な課題でもある。那覇市の海釣り公園構想が沖縄県全体、日本全国の釣りのマナーアップ啓発施設の先駆となるよう期待したいね。

典史:ただ釣りを楽しむ施設ではなく、「釣り人への教育機関を兼ねた釣り公園」ということが重要だね。現場を見ながら釣り人の生の声を聞けてよかった。頑張ります!!

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