Release: 2021/06/05 Update: 2021/06/05

【対談7】沖縄初の海釣り公園実現に向けて:㈶日本釣振興会沖縄県支部米須氏

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今回は釣りのマナーアップ活動や釣り場清掃などに取り組んでいる㈶日本釣振興会沖縄県支部(以下「日釣振」・株式会社米須釣具代表取締役社長米須弘憲様、取締役専務米須剛様に、海釣り公園構想に取り組んだ経緯や釣りが抱える課題解決についてお話を伺い、意見交換をさせていただきましたので、その対談の要旨を紹介させていただきます。

【釣り公園計画があった】

典史:今回は沖縄の海釣り公園の可能性や釣りの現状、助言などいただければと思い伺わせていただきました。自民党事務局に務めている中で、日釣振さんの海釣り公園について要請を受けたことがあります。

米須氏:実は十数年前から日釣振沖縄支部でも釣り公園プロジェクトは出ており、要は予算をどう動かすかという問題がある。予算を動かす方法としてはトップダウンのほうが早いと考えていた。このため議員さんや行政を含めて各地の海釣り公園を視察するなどして取り組んでいたが、県政や人事異動の都合などで頓挫してしまった。

釣り公園の必要性を訴えるために署名活動をする方法もあるが、釣具店が署名の中心になると一般の方から疑念を持たれてしまう。日釣振がその役割を担っている。

国会にも釣り議員連盟という40名ほどの組織があり、東京にある日釣振本部や水産庁の支援を受けながら、釣り公園を作るための予算の見積もりやシミュレーションも行った。作れるところまで行ったのだけど、国政と県政のねじれが大きく影響して、計画が頓挫してしまった。このような夢のある話は、政治がらみで頓挫してはいけないのだけど、どうしても影響を受けてしまうという事情がある。

また、役所の人事異動の影響も大きい。実務を担当する部長クラスも2~3年で人事異動になってしまうので、釣り公園の話が持ちあがっても引継ぎが上手くいかず、人事異動で立ち消えになってしまう。宜野湾市には避難港があり、釣り公園を作る優先順位でも上位に位置していたのだけど…。

モソ:新しい事業をやるための労力は大きいので、役所の担当者もあまり乗り気じゃないかもしれないですね。トップダウンが良いというのも、とてもわかります…。

米須氏:以前、釣具店やメーカーとの懇談の中で、沖縄の釣り公園についての議題をとりあげた。また、漁協でも釣りをからめた施設、たとえば釣り堀を作りたいという相談に乗ったこともあったが、民間だけでは難しかった。

【釣り公園、どこにどのような形で?】

米須氏:あとは釣り公園をどこに作るかという問題もある。1箇所作ればいいのではなく、県内あちこちに作る流れが必要。1つできたら他のエリアにもどんどん作られていくのではないだろうか。福岡県には5箇所の釣り公園があり、そのうち4箇所を廻った、政治力が強い県ということもあり釣り公園がどんどん作られている(政治家に釣り好きがいるという事も大きいのかもしれない)。

 釣り公園を作るためには漁協の協力も必要で、きちんと収益化し漁業にもお金が落ちる仕組みにならないといけない。無料の施設では厳しい。

典史:同感です。

 利用料を徴収しても、それがきちんと還元できる仕組み。日釣振が行っている親子釣り大会や放流事業、清掃活動なども絡めてもっと良い釣り場環境を作ることが必要だと思う。

典史:もちろん予算確保や選挙という手元の問題もありますが、釣りをとおして沖縄の観光や海の環境を知る事、沖縄の未来に関わる話になると思うのですが、いかがでしょうか。

米須氏:那覇市民の声としてあげる方法もあり、大事だと思う。とはいえ釣り業界のバックアップも必要になるので、那覇市内外の釣具店の店長クラスをしっかりと巻き込んだほうが良さそうだ。

典史:マチグヮーでジーマーミ屋をやっていて感じることですが、観光立県と言われていてもあまり何かされているということでもありません。地元の人が納得する産業や施設を生み出していく取り組み。釣り公園もその中の一つだと思います。

 コロナ渦で釣りを始めたという人が身の回りにいて、釣り公園については「こんなに面白い考えがあるのか」と言われます。会長がおっしゃるようなトップダウン、そしてユーザー側に浸透させるボトムアップ、釣り公園を作るためにはいずれも必要になりますね。

米須氏:地道に活動して、政局関係なしにできるのが理想だと思う。

モソ:こちらの提案としては、釣り公園を釣り人のルール・マナー啓発の教育施設として活用する方法です。いい釣り人を増やす環境教育の施設という側面があれば、釣り公園を作ることに対しても理解も得やすいのではないかと考えています。

イラスト:モソ

ご存じのとおり漁港等の釣り禁止が増えています。ゴミは捨てない、ライフジャケット着用など、当たり前のことがほとんどなのですが、利用者に必要な知識を学んでもらう。他の釣り場に、学んだ事を持ち帰ってもらうというところに重点を置いています。

米須氏:釣り公園は絶対に作らないといけない施設。次世代が頑張ってもらえれるならば安心できる。作る場所の話で割れてしまうこともあるけど、「釣り公園を作る」という一つの目的に向かいたい。那覇に釣り公園を作るのであれば、極端な話だが一文字防波堤まで橋をかけてしまうという構想もできる、橋の通行料という形で利用料をとれるし、売店や食堂などを作っても良いのではないだろうか。

モソ:(航路の問題などもあると思うので)こちらで考えている場所としては、若狭バース隣の突堤か、三重城港外側を有望視しています。桟橋と管理棟、トイレ、駐車場の整備も最低限で済むのではないかと思います。

米須氏:三重城港は既に大きな駐車場もあるので良いかもしれない。

【釣り人のマナーアップに関する取り組み】

米須氏:釣り人のマナーアップという面では、釣具店全体でも取り組みはしているものの、釣具店事態のレベルアップが必要。マニュアル化されているものの言いすぎるとギクシャクしてしまうところもある。

98%はきちんとした釣り人で、残りに問題のある行動をする釣り人がいてトラブルの引き金になっている。このような人をゼロにすることは難しく、どう対応していくかという課題もあるが、理解度を上げていくことは大切な活動。啓発看板などの素材や看板設置等のための予算も作れるので、日釣振に意見や要望を出してほしい。

釣り場に設置された啓発看板

モソ:私自身は釣り教室の企画やマナー勉強会の実施、県立図書館の移動図書館(空とぶ図書館)の釣り講座講師や、FM那覇での釣り番組の企画などの活動をしていましたので、提供できることがあるかもしれません。

 また、以前は釣り雑誌での連載も持っていて、現在も本や釣り漫画を出版しています。本のあとがきを読んでいただければ、企画の意図を察していただけるのではないかと思います。ちなみに日釣振の個人会員でもあります。

出展:図解と写真でわかる沖縄のルアーフィッシング陸っぱり編

米須氏:これだけ一生懸命取り組んでいるならば、日釣振の会議でも提案してほしい。釣り業界のレベルアップにもつながると思う。

モソ:ぜひよろしくお願いいたします。

【釣りイベントの話】

モソ:私は那覇市役所とコラボして安里川で環境釣り大会というイベントを2回開催しました。このイベントでは最初に釣りのルールやマナー、生態系とのつながりの講座のあとに実釣となりますが、釣りそっちのけでゴミを集めた子や(このため清掃活動をしない)、自分の釣りそっちのけで弟や妹に魚を釣らせていた子を評価して、特別賞をプレゼントする構成でした。

米須氏:日釣振でも釣りイベントを企画しているが、団体や有志で開催する釣りイベントも増えている。たとえば北中城村の商工会がファミリー釣り大会を企画するなど、様々な団体が釣り教室などを開催している。

モソ:豊見城市にある漫湖水鳥・湿地センターでは、コロナ渦なのですぐには開催できませんが、センター脇の水路で竹釣竿を使った釣り講座を開く計画もあります。野鳥に釣具が絡まる事故が問題となっていますが、釣りを辞めさせるというわけではなく、釣り人にどう技術を教えるかが重要ではないかという話になっています。

米須氏:ライフジャケットも日釣振で20~30着あるので貸し出しや景品の提供などの協力できるので、開催する時は連絡してほしい。

【ゴミのポイ捨て問題の解決に向けて】

典史:私自身は小さい頃に釣りをした程度ですが、先日現場を見に行ったときに、そこら中にゴミが捨てられているのを見て驚きました。しかもポイ捨て啓発看板のすぐ近くに…

この事は釣り人にも知られないといけないし、釣りをしない人にも広く知られないといけない事だと思うのです。海はウチナーンチュの宝だといいながら、ウチナーンチュが汚してしまっている現状があります。

モソ:笑い話にしちゃいけないですが、釣り大会で清掃活動をして「お疲れ様です」と吸殻をポイ捨てする人もかなりいますね。そしてそれを見て子どもが真似してしまう…16%以上いると言われる釣り人の意識が変わるだけで、いい流れができるのではないかと考えていますがいかがでしょうか。

米須氏:どこの清掃活動でも数で言ったら一番多いのはタバコの吸殻。北谷、宜野湾では毎週海岸の清掃をしてもゴミがある状態で、意外と中高生によるポイ捨てが多い。やはり98%の常識的な人ではなく、2%の人をどうするかというところ。100点を目指すための解決はとても難しいことではあるけれど、熱く語る事。釣り教室や清掃活動は教育、道徳にもつながるので継続的な活動をすることは大切な事。いろんな人が見てくれ、気づきにつながる。また、外国人観光客のポイ捨ても見られるので、どう伝えてゆくかという課題もある。

 沖縄は清掃ボランティア活動に関しては先進的な県だと思う。清掃活動に関して沖縄ではOCCNの存在も大きかった。清掃活動で出たゴミは市町村では集荷してもらえないという問題があった。OCCNの会議により各市町村の環境衛生課でもボランティアゴミの受入もなされるようになった。

釣り公園実現や釣りのマナーアップは必要な話、良い話なので全面的に協力していきますよ。

典史:ありがとうございます!また、本日は貴重なお時間、お話をいただきありがとうございました。

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